ショップ出店作家「こまめ」さんインタビュー
こまめさんは蹴りぐるみ系の猫のおもちゃをメインに置いてくださっています。
エビフライなどの人間の食べ物をモチーフにしたものが多く、ユニークです。
今回のインタビューでは制作裏話や猫とのエピソードなどを聞かせてもらいました。
今回のインタビューでは制作裏話や猫とのエピソードなどを聞かせてもらいました。
こまめというブランドについて
ブランド名のこまめという名前にはどのような意味がこめられているのでしょうか?
気がついたらそれになっていました。なんとなく響きがいいのと、あとは、こまめにものをつくる……という意味合いもありますね。手が空いたときに少しでも物を作ろうと自分に戒めています。
どのくらい前にこまめは発足したのでしょうか?
十年以上前になりますかね。
こまめというブランドを十年以上やっておられますが、昔から物を作るのがお好きだったのでしょうか?
高校や大学は美術系でしたし、中学ではアート部でした。
アート部。美術部ではなくアート部なのですね!
母親も美術系の学校に行っていましたし、父親も内装の仕事をしていました。もの造り系の家庭だったので、そっちに関心を持ったのかもしれないですね。
食べ物モチーフについて
お店に置かせてもらっている猫のおもちゃですが、サツマイモやエビフライの形をしたユニークなものが多くてご好評いただいています。それらの商品はどのようにして思いついたのでしょうか?
人間の食べ物にすると飼い主さんも親しみやすいと思って、自分の好きな食べ物をモチーフに作り始めましたね。猫のおもちゃはエビフライが1号ですが、自分でも傑作だと思っています。
たとえば作りたいものがあるとして、それを脳裏に入れておきます。そしてアンテナを張った状態で手芸屋さんなどをまわったときに、この生地はほにゃららの素材になるかも、と思いつくことがあるのです。
サツマイモは逆のパターンで生地が先行しました。生地を見かけたときに、色も質感もサツマイモにそっくりだと直感し、着手したのです。
たとえば作りたいものがあるとして、それを脳裏に入れておきます。そしてアンテナを張った状態で手芸屋さんなどをまわったときに、この生地はほにゃららの素材になるかも、と思いつくことがあるのです。
サツマイモは逆のパターンで生地が先行しました。生地を見かけたときに、色も質感もサツマイモにそっくりだと直感し、着手したのです。
フワフワしたフライものが多い中、あれは質感がつるつるしていますよね。赤紫とでもいうのでしょうか、色なんかもサツマイモにそっくりです。
猫用おもちゃのこだわりについて
こまめさんの作っている商品は、耐久性や安全性についていろいろ考えられていますが、そのあたりのお話をお聞かせください。
猫がおもちゃを噛んで、破れて中身の綿が飛び出してきたら、当然猫はかじるのでお腹に入ってしまいます。だから生地は厚くて頑丈なものにしています。中に鈴を入れているのですが、万が一破れ目から外に出ると誤飲の危険性があります。解決法として鈴をケースの中に入れてから、エビフライに入れるようにしました。結果、鈴の音もより響くようになったし、プニプニとした弾力性も出て、自分が予期しないところで長所につながりましたね。
不思議な感触ですよね。お客さまからのご要望とかはどういったものがありますか?
はい、子猫を飼っているので小さいものも欲しいとの意見が多くて、エビフライについてはS、М、Lといろんなサイズを増やしてみました。購入なさったお客さまからの感想や要望もなるべく取り入れています。
お客さまからの感想で、嬉しかった意見はなんでしょうか?
猫が夜中に一人でうちの玩具で遊んでいたとか、猫ちゃんが気に入って抱えながら眠っていたとか、そういう意見をいただけると作ってよかったと思います。
猫との関わりについて
猫の玩具を作っておられますが、猫は飼っているのでしょうか?
いえ、猫は飼っていません。でも猫のことは好きです。昔、父の事務所のそばで怪我をした猫が倒れていました。その猫を父たちが病院に連れていったのです。怪我の原因は人か自動車かカラスなのかわかりませんでしたが、警戒心の強い子でした。それでもご飯を用意すると顔を出してくれました。
ある時、しばらく姿を見せなかったので、優しい人が家に連れ帰って飼い猫にしたのかと思っていました。それが一週間ほど経ってからひょっこり現れたのです。そのときにはお腹の毛を剃られていて、耳がV字にカットされた状態でした。
ある時、しばらく姿を見せなかったので、優しい人が家に連れ帰って飼い猫にしたのかと思っていました。それが一週間ほど経ってからひょっこり現れたのです。そのときにはお腹の毛を剃られていて、耳がV字にカットされた状態でした。
なるほど。保護団体の方が去勢手術を施してくれたんですね。
そのときは地域猫の保護活動のことが、いまほど知られている状態ではなかったので、自分でいろいろ調べました。それから猫がモチーフの雑貨や玩具を作ったり、保護活動をなさっている方の話を聞いたりと、関心を持つようになりましたね。
直接に関わる機会がないと、保護活動を知ることが少なかったですよね。昔はいまほど猫の番組もなかったし、情報も普及していなかったので。
そのあと、事務所を閉めることになりました。うちで引き取りたいけれど、自宅はペット不可物件だったので、保護団体の方にお願いして里親さんを見つけてもらいました。自分は一生面倒をみる気もなしに、ただ可愛いからと餌をあげて、後先なにも考えていなかったと思います。
病院にも連れて行ったし、ちゃんと里親さんも探してあげたので立派だと思いますよ。いまだにペットを捨てる人たちが多いので、無責任ではないと思います。
今後の活動について
今後はどのような作品を作っていかれるご予定でしょうか?
あくまでエビフライをメインに据えながら、たまに新作は作りたいですね。食べ物はちょっとネタ切れ感があるのですが、季節限定ものをちょいちょい出していければと思っています。
今後、やっていきたい活動などについて教えてください
保護猫のためのチャリティーイベントや、譲渡会兼販売会みたいなものがあれば、時間の都合があえば、たくさん参加していきたいですね。